非ずのこころ 著者:形山睡峰 イラスト:早坂宏香 四六判上製本/208頁/ 定価 1,980円(本体1,800円+税10%) ISBN978-4-910595-00-9 発売日:2021/6/20 善でもない、悪でもない、どちらにも非ず。どちらでもあり、どちらでもない、という「非ず」を考える。 われわれは、日常では一般に「非」「不」「無」の意味合いの違いなど考えたことがない。それなのに、「非」「不」「無」という語の微妙な意味合いの違いを、状況に応じて瞬間に察しては、自在に使い分けている。どうして、そんなことができるのか。実はこの事実こそ、われわれの心に、だれもが妙不可思議なすばらしい働きを具えもってきた証である。 ドクスメレーベル 第1弾『食えなんだら食うな』、第2弾『青年の思索のために』に続く第3弾です。 もくじ 第一章 日本人の妙なる感性 第二章 他と比べて自己確認している 第三章 我と物と一如になって在る 第四章 帰雲老師に訊く 第五章 大いなるかな心や 著者紹介 形山 睡峰 SUIHOU KATAYAMA 昭和24年、岡山県柵原町(現美咲町)生まれ。大学終了後、東京中野の高歩院住職・大森曹玄老師の下で出家得度。曹玄老師に嗣法の後、各所にて禅会を開催。昭和63年、茨城県出島村(現かすみがうら市)に菩提禅堂が建立され、堂主に就任。平成19年同市宍倉に無相庵を開創、今日に至る。 著 書 ・『禅に問う』(大法輪閣刊)・『無心という生き方』(ベストブック刊)・『心が動く一日一話』(佼成出版社刊)・『禅と哲学のあいだ』(佼成出版社刊)他 担当編集者より 『逆のものさし思考』の中で、「非」とは否定でも肯定でもない言葉である、と書かれています。 真面目でも不真面目でもないことを非真面目という。どちらでもないということは、どちらも含んでいるということでもあります。不真面目を含んだ真面目さを非真面目というのです。 遊びを含んだ仕事を非仕事、止まることを含んだ走りを非走と考えたりもします。 相反するものを含む、この「非」ということをテーマで書いてくれる人はいないだろうか、と考えていたところ、形山睡峰さんとご縁ができたのです。昨年の5月から取り掛かっていただききっちり1年で書き上げていただきました。コロナ騒ぎの中での出版に意義と意味を感じます。 善でもない悪でもない、その二つに別れる前を「非ず」と呼び、その心を「非ずのこころ」としています。この「非ずのこころ」で世の中を見ると、世間(世界)の見え方が変わることでしょう。 斉藤和則